万葉の繊細なせせらぎでない、ザァ- ザァ- と身体に染み入る川音に囲まれながら、プラットホームを改札口へ急ぐ父の背を追って、早足で歩く小学生だった頃の記憶が今も潜在している。

京都好きの父は、天満から京阪電車乗り三条へ、そこから洛西方面にも足を廷ばしていた。

子供の私が好きだった苔寺 (西芳寺)は、名前どうり苔生したミドリの濃淡が木漏れ日に操られ微妙な美しさを放っていた、未だ石の庭には気が回らなかったのか虎の子渡し(天龍寺の庭)は記憶にない、方丈の縁に座り石庭のとりこに為った井上靖さんでさえ大学生の時、表面的なものだけでは理解出未ない世界だ当然の成り行き・・・。

帰りも又三条から、その前に甘党の父は必ず 「望月」を土産に買って満足気、好い時代だったとつくづく感じる、因に「望月」の店も今はない。

お京阪の宣伝文句で、難波のモーツアルト(キダ・タロウ氏)が進化した京阪電車をアピールしているが出来ることなら三条駅だけば当時の儘が良かった気持ち、時はめぐり・・車社会を向かえ名神高速道路を利用して京都へ行くチヤンスが増える、とその便利さに目を付けた色々な商いが始まる、その中の一つに嵌まった親父は東山の高台寺て行なわれる〝たち吉〟の展示販売会によく行った、そのアッシ-君となったお陰で我家には、源右ェ門の焼物や香蘭社の磁器が色々と少し!存在する。 

今、私は名神を利用していない、国道1号線も171号線も、旧西国街道をプリウス(ハイブリットカー)に乗ってゆっくり京都通いを満喫している・・・引き替え次兄 (74) と弟 (63)はスポーツ・カー をぶっとばして其々ゴルフ場通いに明け暮れている。

鳥羽慶三先生エッセイ写真.JPG

やっぱり私は親爺似だったのか!

便利さのみを追求する生活に辟易 している、と同時に・・・

進化と言う美名の下に情緒が 薄れていく世の中に共感できない、こころの 狭い年寄に成っていく自分に打つ手は見つ からない・・・

寒さに負け掘りごたつに釘づけの日々、
                           烏羽 慶三
               平成23年3 月7 日

 

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