ガラス越しに私を見つけると、うるさく吠える。
キー坊(バセットファウンド)、要望にこたえ散歩に行く、いつも丸腰(外見てぶら)である。九月に入り暑さも少し和らいだ気配、犬も私も足が軽い。
この時期、どちらの家からも堀越しに、ピンクの花を覗かせているサルスベリの木、そろそろ散り初める前兆か、目いっぱい意思表示していて美しい。
側を子供が通学の足を速め追越して行く、そして素早く振り返りキー坊の顔を確認。ニコッと笑みを私に残し、又、早足で先を急いでいる。犬好きらしい。先日も、すれ違った御婦人に(年齢不詳)、ケイタイで写真を撮ってもいーい?と、断りを受ける。勿論どうぞである。
いつも、こんな出会いばかりではない。路に大便をしたらどうするの不満げに話かけてくる、皮肉っぽく手で取っていくの・・・?私は答えた、むろん手で、足では取れません、貴女もそうでしょ一緒です。するとオバサン素手では取りませんと言う。私も素手ではしませんとポケットからティッシュペーパーとビニール袋を取出し見せる。彼女、目を丸くしおもむろに肩をすくめ両手を広げるポーズをとると、無言で去って行く・・・。彼女、若い頃洋画ファンだったのだろう、等と想像しひとり顔を緩める。
ゆっくり、孤独に歩きたいので人通りの少ない道を選ぶ。雑草の中、ハギがいっぱい雑じっている。秋が初まっているぞと自分にいい聞かせながら、キー坊に話しかけるが返事は無論なし、・・・。
そこを抜け畑に、珍しいものを見付ける。熟して赤黄色になり破れお腹の内まで見せている今はやりの野菜ゴーヤ、傍にはグリーンの食頃に思える物もあり、存在感がある形しているなぁと、つくづく眺める。この突起をどうとらえるかで好みも分かれよう・・・。あまり長く同じところに留まると犬が苛立ちはじめる。そろそろ先へ、一般道に戻る。
すると街路樹が枯れていた。下には干涸び、黒褐色になった山桃の実がいっぱい落ちている。どうやら猛暑の後遺症らしい。枯れず生きのびた木もかなりダメージを受けている。山桃はオス、メスがあるらしく、実の生ってないのもあり、その方が元気に見える!。
街路樹は夏の高温に気を付けてやらないと可哀そう。
内も、ガレージの上(コンクリート)に置いていた植木、気が付くと葉が枯れていた。慌てて土の処に移し、栄養剤入りの水をたっぷりあたえる、と一週間程で枯葉のまわりから新芽が出だした。欅それにさくら、これは庭で自然に芽生えたものをフラワーボックスに移し育てている、量販店で買ってきた夏椿(シャラ\980)、私のリクエストで妻がテニスのコーチから戴いてきた南京ハゼ(優しい形の葉と紅葉がみどころ)今息を吹き返し、それぞれ緑の葉を風に靡かせている。(各々H1.5m程)
山桃の事が気になる、誰が管理しているのだろう?・・・愚痴になるといけない。あまり年寄じみた事を言うと孤立する。いやそれは望むところ一人が好きな私である。でもここは、これ以上深く考えるのは止そう。
コンクリートがヒート・アイランドを生む事、実感できた犬の散歩も夏は気をつけないと、そう思いながらキー坊を見ていた眼を上げると、オープンをまじかに控えたイオン・スーパーの工事現場にビックリする光景が!屋根全体、ミドリで蓋われている。先日ここを車で通った時、そんな気配はなく全然知らなかった。しかし、そこには屋根を独占した芝生の"みどり"が鮮やかに浮かび上がっていた。元々この場所は、緑いっぱいのゴルフ練習場だった処、当時の景観を損ねない配慮がなされた様だ。こういった新しい試みがビルの屋上等にある事は知っていた。でも実際に目の当たりにして感動すら受ける。イオンさん、"やるなぁ、腕上げたなぁ"冗談はぬき、本当にありがとう。
秋霖の初まりか降ってきた、家までもう少しウンチの入ったビニール袋を片手に雨の中、キー坊と小走りする・・・
どうも私の散歩にキー坊が付き合っている気がする近頃です。
 
2006年9月7日
 
(2006年12月掲載)

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