穏やかな大阪の四季。昔、大阪で雪を見た私は、少しは雪の積もるのも味わい、触れたいと云う窃かな期待を懐きながら来阪し、二十一年も経って仕舞った。二度、三度と稀有な機会にそれは適った。窓に掛かる雪は色取り取りにその結晶の模様を刻み付け、溶けては消え、溶けては消えして、又掛かる。この淡い巡還はいつまでも変わろうとしない。今に、直に春は訪れ、又、次には暑い冬が来るかも知れないのに…。
今、この雪の中で鴨や鴛鴦、烏や鳶、狗や猿などの禽獣は食物を探さねばならないが、積もった大雪の思わぬ恵みによって、容易に得られることにも、或いは飢餓を彷徨うことにもなる。(何れ、必死の事であるが…)人も又然り。スノーボードやサーフィンに興ずる若者等も、埋もれた屋内で木の軋みを聴きながら天候回復を願う人々もあまり変わりないと云う事になるのか…。
雪の折る木は折れるべくして折られ、そうして山全体の植生の均衡が保たれると云う蓋然性に依っているのであって、弱いとか、枯れているとかだけの単純な支配原理のみ従っている訳ではない。だから意外な檜(桧)の植林帯の若木の無惨な幹の雪折れが瞠目を誘うのは皮相と云う外ない。
何故、どうして降ろうとも人力の及ばぬものなれば、オロオロと雪踏み、雪掻き、雪降ろし、“大雪は豊年の兆し”とは云え、もう結構!
 
(2006年1月)

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