家入先生

エッセイ〜渡し船〜 の依頼を受けて
一番苦手な依頼である。と云っても断る訳にもいかずハイ解りましたと返事をしてしまった。
渡し船に乗ってこられた先生方。
先生方の日頃の思い、印象に残った事、趣味の事、等々…今迄知る事の出来なかった先生方の一面がうかがえて感心したり、感動したり、エッセイも仲々いいものだと思わさせられた。

ところで私は大変な多趣味屋である。とにかく広く浅くがモットー、良く云えば何でも出来るが、実のところ何ひとつ極める事が出来ないという事でもある。
学生時代も3つクラブに所属していた。陸上競技部で中長距離ランナー、山岳部で登山とスキー、ハワイアンバンドでボーカル。学外では表千家の茶道、ダンス競技、下宿の壁は自分で描いた絵でいっぱい…とこういった具合、仕事をする様になってからは、旅行、ゴルフ、ヨット、クルーザー。クルーザーと云えば友人達とよくクルーザーで旅行に出かけたものである。
そんな旅行のひとつで経験した奇妙な出来事それについて書いてみたいと思う。

それは何年か前の7月の土曜日の午後、大阪港を出発、淡路島へ向かっている途中の出来事である。その日は薄曇り、風も無く海は非常に穏やかであった。
天気の良い日は淡路島が見えるのだが曇りの上に少しもやがかかった様な天候の為遠くは何も見えず、海にいるのはまるで自分達の船だけが走っているみたいであった。
計器による航行を続けているうちに極端に静かな海面に入った。まるで油を流した様にさざ波ひとつ無い状態である。その時なにげなく右の方を見ると神戸方向の上空にキラキラと、明るくオレンジ色に輝く3つの丸い物体が見えた。
今まで見た事も無い様な輝きであった。皆がなんだなんだと口々に云いだした。
私は太陽が雲のきれ目から遠くのビルのガラスか工場の屋根に反射して光っているのだろうと思った。ただそれにしては輝き過ぎるなぁと思った。
そのうち皆もあんなに輝くものは見た事が無い、一体何だろうと云いだした。光の方へ行ってみようと誰かが云った。
私は船を光の方へ向け走らせた。
暫く走ってみたのだがそのうちにだんだんとなんとなく気味が悪くなって来た。
更に背筋に寒いものが走りゾーッとして来た。
皆も同じ気持ちだったらしくざわざわ騒ぎだした。
これ以上近づくのはやめよう。何か解らないという恐怖感が湧いて来た。あわててUターン反対方向へ全速で走った。洲本の港について多くの船や忙しそうに歩く人々を目にして初めてほっとした。

たんなる光の筈なのに、遠くの物体なのに、我々に恐怖感を湧かせたのは一体何だったのだろう。
過去にこんな思いをした事は無かった。何か別のものがそれを感じさせたのだろうか。
結局その時も、その後もオレンジ色に輝く光の正体は何であったか解らなかった。
結末のない出来事なのだが今でもその時の光景ははっきりと憶えているし、決して忘れる事の出来ない経験であったという事はまちがいない。
その後何度も海へ出ているがキラキラと輝くオレンジ色の光は一度も見た事が無い。
・・・あれはUFOだったのだろうか・・・まさか・・・・・

(2004年11月)

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