自転車
今から十数年前、自転車を衝動買いしてしまった。それもマウンテンバイクという「山の中を走るため?」にデザインされた物で、派手なカラーリングに極太のブロックタイヤを履き、18段変速という仕様で、いかにも頑丈そうなバイク(愛好者は、自転車と呼ばずバイクと呼ぶ)であり、その当時はまだまだ普及していない希少な代物だった。
さっそうとバイクのサドルに腰を沈め、軽快?に走っていると、すれ違う少年たちの熱い視線を集めた記憶がある。そんな少年達を見ていると、ふと昔の自分と照らし合わせてしまい、懐かしい想いに駆られるのであった。
 
実は僕自身、中学生のころ自転車に凝った時期があり、親にねだって買ってもらった5段変速のドロップハンドルのサイクリング車(注、この言葉は、現在では死語に近い)で今となっては考えられない距離を走破した記憶がある。
早朝5時に自宅をぬけだして、地元の学校正門前で友人とおちあい、いざ出発。7時ごろには生駒山の暗峠に到着して、疲れ方がたりずにそのまま月ヶ瀬ダムまで行って、夜の9時には自宅にもどっていた。
待ちかねた 夏休みには練りに練った計画を実行に移した。大阪からフェリーで宮崎まで行き、大隈半島、薩摩半島を経由して有明海を北上し阿蘇山にのぼり、大自然の景色と新鮮な空気を満喫した。その後大分県まで足を伸ばし、湯布院の温泉(注、その当時はまだまだ湯治場で寂れていた)につかり、別府でまたまた温泉につかり、旅の疲れを癒した後、別府港からフェリーで神戸まで帰ってきた。旅行中は連日バス停の軒下、駅のベンチなどで野宿して、一切お金のかからない旅行だった。距離にして約1200キロ、朝の4時半から夜7時ごろまで1日中ペダルを回していた。
 
道中は別府に着いても物足らず、大阪まで国道2号線を走って帰る考えまで浮かんだ。14日間の予定で10日で別府まで来たので、別府から大阪まで約800キロを4日で帰れるなどと、今思えばとんでもないことを考えていた。そのころは、将来自転車で世界1周まで考えたことがあった。
 
実家に帰るとそのころ集めた色々な地図や写真が未だに眠っている。そんな熱い記憶が心の底にあるものだから、自転車を見るとなぜか落ち着かない気分になり、日曜日の朝、二日酔いの体に鞭打ち、マンションのエレベーターにわが愛車を押し込める。行き先はどこだっていいのだ。ただ走って、スターバックスでコーヒーを飲んで帰ってくるだけでもとても爽快な気分になる。
 
話は戻るが、初代マウンテンバイクから始まり、2台、3台と購入して、現在8台を所有している。変速ギアも30年前の5段変速から27段変速に変わり、いまや30段変速の時代に突入している。ブレーキもオートバイなみのディスクブレーキである。家族は、自転車といえば俗に言う「おばチャリ」はたまた、ディスカウントショップに並んでいる「お手頃」な物しか見たことがないはずだから、わが愛車の価格を知られると離婚騒ぎに発展しかねない。自転車の作りも、技術革新のおかげでアルミ、カーボン、チタンなどの非常に高価な材質で、1台あたりの重量が約9キロ(注、おばチャリ1台約20キロ)ぐらいで走りは大変軽快である。その分価格もフレームだけでゴルフクラブ1式は揃うのではというぐらいだから、家族にばれたくない気持ちはわかるでしょう。その高価な愛車で、今度、京都あたりまで行ってみようかと計画している。
(2002年3月)

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